介護情報サイト「親ケア.com」の人気企画である「介護アドバイザー【相談】ホットライン」から、厳選した相談と回答をご紹介します。
今回は40代女性のご相談です。
ご相談者さんからの相談
介護や相続についての話をしようとしても、兄は黙り込んで、うんともすんとも言わないで黙る、逃げる。父は「金、金、金か!」と切れるだけ。
両親と一緒に実家住まいをしていたんですが、母に介護が必要となり、十数年にわたって在宅介護をしたうえで、看取りまで行いました。結婚して実家を出ている兄は、何ひとつしませんでした。もちろん父も、介護や家のことについて何もしてくれません。それどころか、何かにつけて不満をぶつけてくるばかりです。
今後に備えて、実家やお墓のことを話そうとしても、二人とも逃げる、キレるで、どうにもなりません。今はまだ元気ですが、父の年齢を考えると先々が不安です。
保険金などについても、私と兄は同額をもらうことに。遺産を独占したいというわけではありませんが、実家や母を守るために頑張ってきた私に、「特別な寄与分」が一切認められないのは腑に落ちません。
どうすれば兄や父が私の考えを理解して、話し合いに応じてくれるようになるんでしょうか?
横井からの回答
悲しく、ツラい状況におられるようですね。お気持ち、お察しいたします。
不躾な話になってしまい恐縮ですが、私見を述べさせいただくと……。
今後、お父さんやお兄さんが変わってくれる可能性は低いと思われます。お父さんは既に認知能力が落ちてきているのか、もともと性格的に難しい部分があるのかわかりませんが、「何かやってもらって当たり前」「自分は被害者側」「威嚇することで、相手は言うことを聞く」といった姿勢が顕著であることから、近くにいる期間が長引くほど相談者さんがツラい思いをする機会が増えることが、容易に想像されます。
また、お兄さんについては、ご両親の育て方もあるのか「男である自分は、仕事をして、妻子を養うだけの稼ぎがあれば十分」「それ以外のことは、周りの人間がやるべき」「自分の権利は、しっかり主張させてもらう」といった考えが強そうですね。こうした人が、協力的になってくれるのを、私はほとんど見たことがありません。
こんな状況に対して、私ならどうするかと言えば……。
まずは実家を出てひとり暮らしを始めます。引っ越し先は、お父さんにもお兄さんにも伝えません。家事などができず、お父さんが困ったとしても知ったことじゃありません。連絡は月に1回程度、お兄さんにだけLINEを送る。お父さんに対しては「困ったことがあったら、お兄さんに相談して」と伝えて、あとは放置。
お兄さんから怒りや恫喝の連絡が来ると思いますが、基本的には既読スルー。あまりうるさいようなら、こちらから連絡するとき以外はブロックしちゃいます。
「お父さんが倒れた」などの、小芝居が行われる可能性もあるので、可能であれば実家近所の人と連絡のやり取りができるようにしておき、本当の緊急事態かどうかを確認に行ってもらう。自分が実家に連絡したり、帰省すると元の木阿弥になってしまいますから。近所に手頃な人がいないようなら、実家を管轄する地域包括支援センターに連絡して、様子を見に行ってもらいますね。「これまでの経緯があるので、私自身は、もう実家に足を運べない」「キーマンは兄なので、詳細は兄と相談してほしい」とも伝えます。
……これぐらい追い込んで、はじめてお兄さんは介護や実家のサポートを「自分ごと」としてとらえられるようになるかと。ただし、お父さんが反省して、周囲に感謝できるようになる確率は低いでしょうが。
1~2年、お兄さんに苦労してもらった頃合いで、相談者さんの心のモヤモヤが少し晴れるようなことがあれば、それから先のことを話し合うのもアリでしょうし、モヤモヤが晴れないのなら、その状況を継続するのが良いかと。
状況がよくわからないなか、かなり突っ込んだことを書きましたが、結論を言えば、相談者さんが置かれているのは「理不尽な搾取を受ける状況」であり、心身を守るためには思い切った決断が大切ではないか、ということです。
いろんな事情があると思いますので、私のオススメする上記の話は最終手段として頭の片隅に留め、腹をくくってできることから実施なさってください。いざというときに「逃げる」という選択肢があるだけで、気持ちがラクになるものなので。
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