経験を言葉にすることが、次の一歩につながる――PINK STAR AWARDで感じたこと

経験を言葉にすることが、次の一歩につながる――PINK STAR AWARDで感じたこと

こんにちは。アドビオの宮田です。2026年10月24日に、乳がん経験者によるスピーチアワード「PINK STAR AWARD」が開催されました。私は審査員として参加させていただきました。

このイベントは、「ピンク先輩」こと石岡江見子さんが企画・開催したもので、11人の乳がん経験者が登壇し、それぞれの経験やこれからの生き方について語りました。

賞状を手に並ぶPINK STAR AWARDの登壇者たち

私は審査員として、一番前の席でスピーチを聞かせていただきました。登壇者の中には、緊張からか、手が小刻みに震えている方もいました。それでも、一生懸命に自分の思いを伝えようとする姿を見て、思わず心の中で「頑張れ!」と叫んでしまうことも……。本当に胸が熱くなる時間でした。

11人のスピーチを通じて、改めて感じたのは、自分の経験を言葉にし、声に出して誰かに伝えることの大切さです。

目次

経験したからこそ見つけた、これからの生き方

乳がんを経験する中では、さまざまな不安や葛藤があったと思います。治療のことだけでなく、仕事や家族との関係、これからの生活について考えることも多かったのではないでしょうか。

今回のスピーチは、そうしたつらい経験を振り返るだけではありませんでした。

病気を経験したからこそ気づいたこと、大切にしたいと思うようになったこと、そして、これから自分はどう生きていきたいのか。登壇者の皆さんは、それぞれの経験を通じて考えたことを、自分の言葉で伝えていました。

人前で自分の経験を話すことは、簡単ではないと思います。ましてや、病気を経験したときの気持ちや、その後の人生について、大勢の人の前で話すには勇気が必要だったことでしょう。

それでも、皆さんは自分の思いを伝えようとしていました。

お話を聞きながら、泣きそうになったり、思わず笑顔になったりと、あっという間の時間でした。

そして、命があることへの感謝や、仲間がいることのありがたさについても、改めて考える機会になりました。

話すことで、自分も誰かも前に進める

今回、特に印象に残ったのは、自分の経験を人に話すことが、話した本人にとっても次の一歩につながるのではないか、ということです。

自分が経験したことを振り返り、考えを整理して、言葉にする。そして、その言葉を誰かに聞いてもらうことで、自分自身の気持ちや考え方が変わることもあると思います。また、話を聞く人にとっても、誰かの経験が新しい気づきにつながることがあります。

私自身も、11人のスピーチから多くのことを学びました。

誰もが、それぞれの事情を抱えながら生きています。思い描いていた人生とは違う道を歩むこともあるでしょう。それでも、これからの人生をどう生きるかについては、自分で考え、選んでいくことができます。

それから、話すことで、自分自身がもう一歩前に進めることがあります。そして、その話を聞いた人も、前に進む力をもらえることがあります。

登壇者の皆さんが語るこれからの生き方を聞きながら、そんなことを考えていました。

PINK STAR AWARDは、登壇者にとっても、会場で話を聞いた人たちにとっても、意義のあるイベントだったと思います。

経験を伝えられる場があることの大切さ

あともう一つ、再確認したことは、自分の経験を安心して伝えられる場があることの大切さです。

誰かに話したいと思っていても、話す機会がなければ、なかなか言葉にできないことがあります。また、同じような経験をした人に話を聞いてほしいと思っても、身近にそうした人がいるとは限りません。だからこそ、自分の経験や思いを伝え、それを受け止めてもらえる場があることには、大きな意味があると思います。

今回のPINK STAR AWARDを企画・開催した石岡江見子さんは、「ピンク先輩」として活動されており、オンライン相談サービス「アドビオ」にも経験者として登録してくださっています。

演台でマイクに向かって話す石岡江見子さん

自分自身の経験を誰かのために役立てることに加えて、ほかの人たちが自分の経験を伝えられる機会をつくることも、大切な活動だと感じました。

イベントを開催するまでには、多くの準備や関係者の協力があったと思います。そうした方々の支えによって、11人の登壇者が自分の思いを伝え、会場に集まった人たちがその言葉を受け取ることができました。

花に囲まれた演台で話す石岡江見子さん

今回のイベントを通じて、話す人や聞く人だけでなく、その機会をつくる人の存在も大切なのだと改めて感じました。

会場では、さまざまな出会いもありました

今回のイベントでは、スピーチを聞くだけでなく、多くの方とお会いすることができました。

以前からお会いしたいと思っていた中村茜さんにもお会いできましたし、さまざまな活動に取り組んでいる方々とお話しする機会もありました。

また、会場では、がん治療中であることを周囲に伝える「がん治療中キーホルダー」や、片胸専用の乳がんブラ、にこまる菓子店などの活動や商品についても知ることができました。

病気を経験した人が日常生活で感じる困りごとや、周囲の人に理解してほしいことは、経験していない人には気づきにくい場合もあります。

そうした声に耳を傾け、具体的な商品や活動につなげている方々がいることを知り、私自身も勉強になりました。

それぞれの活動の形は違いますが、誰かの経験や思いが、別の誰かの役に立つことにつながっているのだと思います。

ひとりで悩まない社会へ

私たちが運営するオンライン相談サービス「アドビオ」は、「ひとりで悩まない社会へ」を理念に、経験者や専門家に相談できる場を提供しています。

悩んでいるとき、必ずしもすぐに答えがほしいとは限りません。まずは自分の話を聞いてほしいと思うこともあれば、同じような経験をした人が、そのとき何を考え、どのように行動したのかを知りたいと思うこともあるでしょう。

誰かに話すことで気持ちが整理できたり、経験者の話を聞くことで、これからの選択肢が見えてきたりすることもあります。

PINK STAR AWARDとアドビオでは、活動の形は異なりますが、経験を言葉にすることや、その経験を必要としている人につなぐことには、共通するものがあると感じています。

今回、11人の登壇者の皆さんから、多くの感動と前に進む力をいただきました。そして、こうした機会をつくってくださった江見子さんや関係者の皆さんにも、心から感謝しています。

自分の経験を話すことで、次の一歩を踏み出せることがあります。また、その経験が、誰かの役に立つこともあります。

私たちアドビオも、そうしたつながりが生まれる場を、これからも広げていきたいと思います。個人としても、アドビオとしても、今後もPINK STAR AWARDを応援していきます。

ピンク先輩に話を聞いてみる

ピンク先輩には、アドビオで直接お話を伺うこともできます。

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この記事を書いた人

宮田志保のアバター 宮田志保 特定非営利活動法人フラウネッツ理事長

特定非営利活動法人フラウネッツ理事長。2003年の設立以来、在宅ワーク支援に取り組み、育児・介護などライフイベントと仕事の両立を目指す人々の就労機会の創出と環境整備を推進。

また、編集プロダクションである株式会社エフスタイルの代表取締役として、医療・働き方分野を中心としたコンテンツ制作に従事。専門性の高い情報を正確かつわかりやすく伝える編集力を強みとし、取材・執筆・編集・ディレクションまで一貫して手がけている。

厚生労働省の在宅ワーク関連事業に関わるなど、制度設計と現場支援の双方に携わってきた経験をもとに、誰もが個性や環境に応じて働き続けられる社会の実現に向けた活動を行っている。

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